コンピュータが誕生してすでに60年以上たちました。コンピュータの誕生や発展をめぐる人物たちは歴史学の対象になっています。物故された当事者も多くなりました。歴史は、当事者がこの世を去ると、誰はばかることなく記述できるようになるものです。
コンピュータのハードウェアは博物学か考古学の対象でしょう。以前、ミシガン大学のホールに展示されたENIACの現物を見たことがあります。大きな書棚のような枠に真空管が一杯詰まっていました。これで、全体のごく一部だったのですから、物質としての量に対して情報処理能力がいかに低かったのか驚くばかりです。
さらに、コンピュータのソフトウェアも考古学の対象になりうるのではないでしょうか。走行させるハードウェアは現存しませんが、エミュレーションによって現代のハードウェア上に再現することが可能です。じっさいに、Apple IIだとかAmigaのエミュレータで往年の名作プログラムを楽しんでいる人たちがいる、と聞いたことがあります。
再現するなら、歴史順にまず ENIACでしょう。こいつは、ワイヤードプログラミングを作り込まなければいけません。世の中にはアナログのミュージック・シンセサイザーを再現するソフトだってあるのだから、ディジタルなら比較的容易でしょう。できれば、一定の確率で真空管が故障するところなどを再現してほしいものです。
コンピュータの元祖なら、汎用チューリングマシンですって?あれは、走行する実機はないでしょう。
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